小さいうちから本に親しませるなら、さまざまな絵本がそろった図書館がいちばん。そこで、大田区立羽田図書館の司書として、子どもや地域にかかわる凍田伊津子さんに、乳幼児の図書館デビューと、絵本の選び方について伺いました。

f:id:wataru-hojo1111:20160728182129j:plain

△出典:ベネッセ教育情報サイト

児童コーナーや赤ちゃんスペースを気軽に利用して

 お子さまと図書館に行ってみたいけれど、「騒いで迷惑をかけてしまうのでは……」などと考え、遠慮される保護者のかたは多いようです。しかし、私たち図書館スタッフとしては「気にせずに、ぜひいらしてください!」と申し上げたいです。

 本と親しむのは、小さいうちからがいちばんです。靴を脱いで上がれる赤ちゃんスペースを用意している図書館も数多くありますし、児童コーナーを一般向けと区切ってあるところもあります。

 子どもたちがはしゃいだり、泣いたりするのは自然なことだと、多くの図書館スタッフは理解しています。絵本を散らかしても大丈夫。ただし、大声で騒いでいると他の利用者のかたのご迷惑になりますので「いつもより小さな声でお話ししようね」というふうに声をかけていただければと思います。小さなお子さまでも、何度か訪れるうちに、館内の雰囲気になじんでいくことがよくあります。赤ちゃんスペースで、お子さまに寄り添って寝ころびながら読み聞かせをしていらっしゃる保護者のかたの姿を見て、ほほえましく感じることも多いですね。

親子で参加できるイベントで「図書館デビュー」を

 多くの図書館では、親子で参加できるイベントに力を入れています。0歳児向けから小学生向けなど、対象年齢もさまざま。野外で行う青空おはなし会や、実験を取り入れた科学のおはなし会など、工夫を凝らした催しを行っているところもありますので、ぜひ地域の図書館について、ホームページなどで調べてみてください。お子さまの図書館デビューに、そういったイベントを利用してみてはいかがでしょうか。

子どもにぴったりな絵本を見つけるには?

 多くの子どもたちは、読み聞かせをしてもらうのが大好きです。時間を見つけて、できる限りいろいろな本を読んであげてください。子どもは本当に正直に反応しますので、どういう感じの絵本が好きか、読んであげているうちに少しずつ見えてきます。

 お子さまの好きなものが出てくる絵本を選ぶのもよいですね。好きな食べ物や動物、電車や自動車……。好きなものが主人公だと、絵本の世界に入っていきやすいと思います。

 また、保護者のかたが昔好きだった絵本を読んであげるのもよい方法です。長く読み継がれている作品は、今の子どもたちにもとても人気があり、ロングセラーを超える新作はなかなか出ないというのが私たちの実感です。ぜひ、ご自身がわくわくした体験を思い出しながら読み聞かせてあげてください。

 昔話もおすすめです。核家族化の影響か、桃太郎やかぐや姫など、以前は誰でも知っていたようなお話を知らないお子さまも多いのです。グリム童話など、外国のお話もよいですね。不思議な話や滑稽な話、少し怖い話など、昔話の中には子どもの感性を深く刺激するものがあるようです。

来てみる、借りてみる……まずは慣れるきっかけを

 「本を破ってしまうのでは……」と心配するかたもいらっしゃいますが、丈夫な厚紙の本や布の本を用意している館もありますので、カウンターに問い合わせていただければと思います。子どもたちが安心して本と触れあえる環境やきっかけをつくることは、私たちの大切な仕事です。まずはぜひ、お子さまと何度か足を運んでみてください。

 図書館っていろいろな本があって、面白いところなんだ……子どもたちにそう感じてもらえればうれしいですね。

<乳・幼児のお子さまにおすすめの絵本>

『はらぺこあおむし』

作:エリック・カール
訳:もりひさし
 おなかのすいたあおむしは、もりもりと食べ続けて……。穴あきのしかけが楽しい、世界的なロングセラー絵本。おはなし会でも大人気です。

『よかったねネッドくん』

作:レミー・シャーリップ
訳:やぎたよしこ
 パーティーに招かれたネッドくんの大冒険。運が良かった!という場面と、悪かった!という場面がカラーとモノクロで交互に出てくる、ハラハラドキドキのお話です。

『すてきな三にんぐみ』

作:トミー・アンゲラー
訳:今江祥智
 黒いマントに黒い帽子の泥棒たちのお話。少し怖い、独特の雰囲気が子どもたちに人気。最後はとても温かなハッピーエンドです。